バイク事故の死亡率および対策について解説 | 交通事故弁護士サーチ

バイク事故の死亡率および対策について解説

バイクに乗っている方にとっては、バイク事故のリスクが気になるところでしょう。
バイク事故の死亡率は高い傾向にあるため、しっかりと対策を行うことが大切です。
本記事では、バイク事故の死亡率および対策について解説します。

バイク事故の死亡率

内閣府の調査によると、バイク事故の死亡率は約1.3%です(2020年時点)。
これは自動車事故の死亡率のおよそ3倍の数値となり、バイク事故の死亡率の高さが伺えます。

バイクで死亡事故が発生する場合、原因の多くは頭部や胸部、腹部などの重要部位の致命的な損傷が挙げられます。

また、事故の部類としては単独事故が最も多く、バイクでの通勤時などの事故が多くなっています。

なぜバイク事故では死亡率が高くなるのか?

ここでは、バイク事故で死亡率が高くなる主な原因を解説します。

身体の露出が多い

バイクが自動車などと比べて死亡事故につながりやすい原因は、身体の露出が多いためです。
バイクは自動車とは異なり、身体がエアバッグや車体によって保護されません。そのため、衝突事故によって身体へ直接的に衝撃が加わります。

車体のバランスが取りにくい

車体のバランスが取りにくい

バイクは二輪車の特性上、バランスが取りにくく、横転事故にもつながりやすくなります。特に雨天時や路面の凍結時などでは、法定速度を守っていてもカーブの際に横転してしまうこともあるでしょう。

バイクの死亡事故では、単独事故が最も多くなっています。そして単独事故の多くは、スピードの出し過ぎでカーブを曲がり切れないケースが考えられます。

カーブを曲がり切れない原因は、スピードが出るほど車体に遠心力がかかるためです。
遠心力は速度の2乗に比例して大きくなるため、たとえば時速30kmで走行している場合よりも時速90kmで走行している場合のほうが9倍もの遠心力がかかるのです。

さらに、雨天の日や道路が凍結している日などは地面とタイヤの摩擦が減るため、よりスリップしやすくなります。特にカーブを曲がる際は、スピードを十分に落とすように注意しましょう。

危険なすり抜けや追い越しをしてしまいがち

バイクはスリムな車体であることから、自動車の間をすり抜ける運転や危険な追い越しをしてしまいがちです。
交通渋滞時などに焦って危険なすり抜けや追い越しを行うことで、自動車との衝突事故に発展してしまうリスクが考えられます。

思い込みによる出会い頭の事故が多い

バイクの死亡事故では、単独事故に次いで出会い頭の事故が多くなっています。
出会い頭の事故の大きな原因は、思い込みによる走行が考えられます。

たとえば、閑静な住宅街だから人通りが少ないと思い込んで、交差点での十分な目視確認やミラー確認を怠ると思わぬ衝突につながるでしょう。

特に交差点など視界に入りにくい場所では、思い込みで走行を続けないようにすることが大切です。

バイク事故の事例

バイク事故の事例について、ITARDA(財)交通事故総合分析センターの調査事例を基に2つ紹介します。

事例1.出会い頭の事故

事例1.出会い頭の事故

事例の1つ目は、自動車とバイクの出会い頭の事故です。
自動車が駐車場から車道に出て右折しようとしたところ、右方向から走行してくるバイクと衝突しました。ライダーはヘルメットを装着していたため頭部への損傷はありませんでしたが、転倒により肋骨骨折の重傷を負ってしまった事例です。

原因は主に2つあり、1つは自動車側が一時停止せずに徐行したまま安全確認を行い、バイクの存在を見落としたことです。
一方、バイク側がヘッドライトを消灯していたことも見落とされた原因だといえます。
バイクを運転する際は、ヘッドライトの昼間点灯を忘れずに行い、見落とされないようにすることが重要です。

事例2.右折時の事故

事例2.右折時の事故

事例の2つ目は、自動車とバイクの右折時の事故です。
自動車が交差点を右折しようとしたところ、対向車線から進行してきたバイクと衝突しました。
ライダーはヘルメットを装着していましたが、2日後に亡くなってしまった事例です。

本事例では、自動車側が駐車中の大型貨物車に気を取られ、バイクへの注意が不十分であったことが主な原因だと考えられます。このようにバイク側に原因がなくても、もらい事故のような形で死亡事故につながってしまうこともあるのです。

バイクを運転する際は、常に周囲の様子やリスクを考えながら走行することが重要だといえるでしょう。

バイク事故を起こしやすい人の特徴

バイク事故を起こしやすい人の特徴としては、主に3点が挙げられます。

スピードを出し過ぎる傾向がある人

スピードをつい出し過ぎてしまう人は注意しましょう。
スピードを出し過ぎることで、急停車やカーブなど臨機応変な動作がしにくくなります。

バイクの事故率は統計的には高いものの、法定速度を守っていれば危険は大きく減らせます。法定速度を遵守した安全運転が重要です。

せっかちな人

せっかちな人もバイク事故を起こしやすいといえます。
たとえば、渋滞している時に自分だけ走行しようとして、車線変更禁止の区間(オレンジライン)で車線変更してしまう方もいるでしょう。

しかし、そのような危険な走行をすることで事故につながります。渋滞などの場合でも無理に走行を続けないように心がけることが大切です。

思い込みが強い人

思い込みが強い人も要注意です。たとえば、普段人通りの少ない道や交差点だからといって、スピードを緩めずに走行すると思わぬ事故につながります。

同じ道でもその日の天候や周囲の環境によって走行条件は異なるため、常に不測の事態を想定しながら思い込みを排除する気持ちが重要だといえるでしょう。

バイク事故での死亡リスクを軽減するための対策

それでは、バイク事故での死亡リスクを減らすにはどのような対策をすればよいのでしょか。ここでは、主な対策を解説します。

身体をヘルメットなどで保護する

基本的な対策ですが、身体をヘルメットやプロテクターでしっかりと保護することが大切です。
特に頭部や胸部、腹部の損傷が死亡につながりやすいため、重要部位は確実に保護するようにしましょう。

無理なすり抜けや追い越しを行わない

バイクは小回りがきく特性上、ついすり抜けや追い越しをしてしまいがちですが、これらが事故の原因となります。
交通渋滞時でも落ち着いて過ごせるよう、バイクを運転する際は時間に余裕を持って行動するようにしましょう。

被視認性を高める工夫をする

バイクの死亡事故は、対向車線の自動車の見落としによって発生する場合もあります。そのため、自分自身やバイクの被視認性を高める工夫も対策となるでしょう。

たとえば、反射シールをヘルメットや車体の複数個所に貼ることなどが有効です。自動車や他のバイクに見落とされるリスクを減らし、死亡事故を防いでいきましょう。

万が一バイクで死亡事故が発生した際のご家族の対応

接触事故で不安な場合は弁護士に相談することが効果的

万が一バイクで死亡事故が発生してしまった場合、ご家族の方は通夜や葬儀を終えた後、加害者側の保険会社と示談交渉を進めていくことになります。

その際に注意すべき点としては、加害者側の保険会社は基本的に最低限の損害賠償金しか提示してこないことです。

遺族の苦しみは金銭では到底解決することはできませんが、慰謝料をはじめ妥当な損害賠償金を受け取ることは被害者のご遺族にとっては大切なことです。

妥当な損害賠償金を受け取るためには、適切に示談交渉を進めていく必要がありますが、示談交渉に慣れている方はほとんどおらず、加害者側の保険会社と交渉を進めることは容易ではないでしょう。
したがって、示談交渉を有利に進めるうえでは交通事故に強い弁護士に相談することが重要です。

弁護士に相談することに抵抗を感じる方もいますが、弁護士費用特約を利用すればご依頼者の費用負担は基本的にはありません。
また、弁護士が入ることで示談交渉をスムーズに進められるため、事故後の大変な時期の大きな助けとなるでしょう。

まとめ

今回は、バイク事故の死亡率および対策について解説しました。バイクは身体の露出が多い分、交通事故発生時は死亡事故につながりやすくなります。

そのため、必ずヘルメットやプロテクターをつける、危険なすり抜けやスピードの出し過ぎを控えるといった対策を行うことで、死亡事故のリスクを減らせるでしょう。

万が一バイクでの死亡事故が発生した際は、交通事故に強い弁護士の力を借りて示談交渉などをスムーズに進めていくことが大切です。

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