運転中のイヤホン利用は違反になるのか | 交通事故弁護士サーチ

運転中のイヤホン利用は違反になるのか

自動車や自転車を運転する際、イヤホンで音楽などを楽しみ方も多いでしょう。
しかし、運転中のイヤホン利用は違反になる可能性があるため、しっかりと交通ルールに関して注意を払うことが大切です。
本記事では、運転中のイヤホン利用が違反になる可能性や、運転中のイヤホン利用を避けるための方法について解説します。

運転中のイヤホン利用は違反になる可能性がある

運転中のイヤホン利用は違反になる可能性がある

結論から述べると、運転中のイヤホン利用は違反になる可能性があります。
厳密には、道路交通法では運転中のイヤホン利用の行為自体は禁止されていませんが、不注意により交通事故を起こした場合は、安全運転義務違反になる可能性があります。

たとえば、以下のようなケースでは安全運転義務違反になる可能性が少なくないでしょう。

  • check イヤホンの音楽に夢中になって運転がおろそかになり、追突事故を起こした
  • check イヤホンによって周囲の音が聞き取れなくなり、他の車両の存在に気づけなかった

また、道路交通法ではイヤホン利用行為は禁止されてないものの、各都道府県の条例では禁止されている場合があります。
そのため、お住まいの都道府県や近隣の都道府県の道路交通規則をしっかりと確認しておくことが重要です。

運転中のイヤホン利用の具体的なシチュエーション

ここでは、運転中のイヤホン利用の具体的なシチュエーションを見ていきます。

片耳だけ使用していた場合

片耳だけイヤホンを使っていても、違反にならないということはありません。
両耳・片耳に関わらず、運転において安全性が保たれない状態であれば、交通違反となる可能性があります。

音量を下げていた場合

イヤホンの音量を下げていた場合でも、交通違反になる可能性はあります。
なぜなら、音量が小さくてもイヤホンをしていること自体が遮音性の高い状態となり、運転の妨げとなり得るからです。

自動車ではなく、自転車に乗る際にイヤホンを使用していた場合

「軽車両」の扱いとなるため、イヤホンを付けながら運転をしていた場合は安全運転義務違反や各都道府県の条例違反になる可能性があります。
自転車だからといってイヤホンを使って良いわけではありませんので注意しましょう。

ワイヤレスイヤホンを使っていた場合

ワイヤレスイヤホンを使っていた場合でも、安全運転義務違反や各都道府県の条例違反になる可能性があります。
ワイヤレスであればケーブルの邪魔がなくなるため、運転中のハンドル操作に影響がないように感じるかもしれません。

しかし、それでも周囲の音に気づきにくい状態で運転をすることになるため危険です。イヤホンの形態に関わらず、運転中の注意力を低下させる要因となるため避けるようにしましょう。

赤信号で停止中のタイミングでイヤホンを使っていた場合

赤信号で停止中のタイミングでイヤホンを使っていた場合

それでは、赤信号で停止中にイヤホンを使うことは大丈夫なのでしょうか。停止中であれば交通事故の危険性にはつながらないため問題なさそうですが、やはり赤信号で停止中にイヤホンを使うことも避けるべきです。

まず、イヤホンを使って音楽や通話に集中してしまうことで、青信号に切り替わったあとに素早く発進することが難しくなります。

その結果、後続の車両の妨げになるおそれがあります。さらには、救急車などの緊急車両が近づいてきた場合に迅速に対応しにくくなることも注意点です。
「赤信号の間だけ」と油断せずに、運転中のイヤホン使用は避けるようにしましょう。

なぜ運転中のイヤホン使用は避けるべきなのか?

このように、運転中のイヤホン使用は安全運転義務違反になる場合や各都道府県の条例で禁止されている場合があります。では、なぜ運転中のイヤホン使用は避けるべきなのでしょうか。

運転中のイヤホン使用を避けるべき理由を端的に言うと、交通事故の誘発や交通の妨げになるためです。イヤホン使用によって周囲の音に気づきにくくなり、車両や通行人の接近を早期に検知することが難しくなります。

本人としては気をつけているつもりでも、運転中の集中力低下につながるためやはり避けるべきだといえるでしょう。

運転中のイヤホン使用を避けるための対策方法

交通事故を未然に防ぐためには、運転中のイヤホン使用は避けることが大切です。
ここでは、運転中のイヤホン使用を避けるための対策方法を2点解説します。

(1)イヤホンジャックを活用する

運転中は通話をしなくても済むよう、事前にスケジュールを周囲に共有しておく

運転中のイヤホン使用の用途としては、スマートフォンで音楽を楽しみたいケースも多いでしょう。その場合、イヤホンの代わりにイヤホンジャックを活用することが有効です。

イヤホンジャックを使うことで、車内搭載のスピーカーから音楽を楽しむことができます。

イヤホンジャックの他にもBluetoothやUSB接続などの方法もあるため、スマートフォンや車両の仕様を確認して適切な方法を選択してみてください。
ただし、スピーカーモードで音楽を聴く場合でも、音量を上げすぎないように注意しましょう。

(2)運転中は通話をしなくても済むよう、事前にスケジュールを周囲に共有しておく

運転中のイヤホン使用では、仕事の要件などで通話をしなければならないケースもあるでしょう。しかし、業務上の通話であっても運転中の危険性が増すことには変わらないため、通話は避けるべきです。

仕事中に運転が生じる場合は、運転中の時間帯を事前に同僚や取引先に連絡し、その時間帯には通話をしないように周囲にも共有しておくことが大切です。

自分から発信しないことはもちろんのこと、運転中の着信に気を逸らさなくて済むよう、前もってスケジュールを周囲に伝えておきましょう。

まとめ

今回は、運転中のイヤホン利用が違反になる可能性および運転中のイヤホン利用を避けるための方法について解説しました。

運転中のイヤホン利用は、道路交通法では着用自体は禁止されていませんが、交通事故を起こした場合は安全運転義務違反になる可能性があります。また、各都道府県の条例違反になる可能性もあるので注意しましょう。

片耳だけ、小音量、自転車などであれば問題ないと考えている方もいますが、いずれの場合でも安全運転義務違反や各都道府県の条例違反になる可能性があるため避けるべきです。

運転中のイヤホン利用を避けるためには、イヤホンジャックを活用したり、事前に運転する予定の時間を周囲に共有したりすることが大切です。

しっかりと周囲の音に注意しながら、安全運転を心がけていきましょう。

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