示談交渉の意義と基本的な考え方

「後遺障害診断書だけでは、等級が認定されない可能性がある」ことをご存知でしょうか。
自賠責保険の審査において、診断書はあくまで「最終結果」をまとめた書類に過ぎません。その結果に至るまでの経過、つまり「事故直後から現在まで、一貫して症状が続いていたか」を証明する真の証拠は、病院に保管されている「カルテ(診療録)」に眠っています。
本記事では、なぜカルテ開示が等級認定の決め手になるのか、そのメリットと具体的な手続き方法を詳しく解説します。
診断書よりも「カルテ」が重要な3つの理由
後遺障害診断書は医師が最後に作成するものですが、カルテには日々の診察のリアルな記録が残っています。
① 症状の「一貫性」と「連続性」を証明できる
等級認定で最も重視されるのが、事故直後から症状が途切れずに続いているかという「一貫性」です。
メリット: 診断書に書き漏れがあっても、カルテに「初回からずっと首の痛みを訴えている」という記録があれば、有力な補強証拠になります。
② 看護記録やリハビリ記録に「真実」がある
カルテには医師の記録だけでなく、看護師による「看護記録」や理学療法士による「リハビリ記録」も含まれます。
メリット: 「痛みで夜眠れていない様子」「歩行時に足を引きずっている」といった、医師の診察室では見えない日常生活の支障が克明に記録されており、これが強い証拠になります。
③ 画像鑑定の「根拠」となる
レントゲンやMRIの読影結果(レポート)もカルテの一部です。
メリット: 病院の医師が見落とした微細な異常を、外部の専門医が再確認(画像鑑定)する際、カルテの経過記録と照らし合わせることで、より精度の高い鑑定が可能になります。
カルテ開示請求の具体的な流れ
カルテの開示は、患者本人(または代理人弁護士)の正当な権利です。以下の手順で進めます。
ステップ1:病院の窓口へ問い合わせ
まずは通院していた病院の「医事課」や「相談窓口」に、「カルテの開示(コピー)をお願いしたい」と伝えます。大きな病院では専用の申請フォームが用意されています。
ステップ2:必要書類の提出
一般的に以下の書類が必要になります。
- ・診療情報開示申請書(病院指定のもの)
- ・本人確認書類(免許証、保険証など)
- ・(代理人の場合)委任状および代理人の本人確認書類
ステップ3:費用の支払いと受け取り
カルテのコピーには費用がかかります。
費用の目安: 基本手数料(3,000円〜5,000円程度)+ コピー代(白黒1枚10円〜50円、CD-R1枚1,000円〜数千円程度)
期間: 申請から受け取りまで、通常2週間〜1ヶ月程度かかります。
カルテ開示を行うべき「タイミング」
すべての事案でカルテが必要なわけではありませんが、以下のケースでは強く推奨されます。
異議申し立て(再申請)を行うとき:
一度「非該当」になった理由を分析するために、過去の記録を精査する必要があります。
高次脳機能障害や脊髄損傷の場合:
重度な障害の場合、事故直後の意識状態や神経症状の記録が認定の鍵を握るため、カルテ開示は必須と言えます。
医師が診断書作成に非協力的なとき:
診断書が不十分でも、カルテに事実が残っていればそれを証拠として提出できます。
医療連携に強い弁護士がカルテを「解読」する意味
カルテは専門的な医学用語や略語、時にはドイツ語や英語で書かれています。一般の方が内容を正確に理解するのは極めて困難です。
当サイトの「医療連携・医証サービス」では、開示したカルテを以下の視点で分析します。
- 1. 認定の障害となる記載の有無: 「仕事は順調」など、不利になりかねない記述がないかチェックします。
- 2. 医学的矛盾の発見: 画像所見と臨床症状にズレがないか、専門医の視点で精査します。
- 3. 立証戦略の構築: カルテの中から、等級認定を勝ち取るための「キラーワード」を抽出します。
まとめ:その1枚のカルテが、正当な補償への扉を開く
「診断書を書いてもらったから安心」ではありません。その診断書を支える「根拠(カルテ)」がしっかりしているかを確認することこそが、後遺障害申請の成功の秘訣です。
「自分のカルテに何が書かれているか不安」「開示したカルテを専門家に読んでほしい」 そう思われたら、当サイトの無料相談をご利用ください。医療のプロと法律のプロが、あなたの記録から「真実」を読み解きます。
