監修 石田 大輔 (いしだ だいすけ)

名城法律事務所サテライトオフィス 代表

所属 / 愛知県弁護士会 (登録番号42317)

保有資格 / 弁護士

示談交渉の意義と基本的な考え方

診断書例

「主治医に後遺障害診断書をお願いしたら、断られた」 「まだ痛むのに、医師は『もう治療の必要はない』と取り合ってくれない」

交通事故の被害者にとって、医師は最大の味方であるはずです。しかし、いざ後遺障害(後遺症)の申請段階になると、急に非協力的な態度をとられて戸惑う方は少なくありません。

なぜ医師は非協力的になるのか? その背景にある「医学と法律のズレ」を理解し、円満に診断書を書いてもらうための具体的な解決策を、医療連携に強い弁護士が解説します。

なぜ医師は「後遺障害」に消極的なのか?

医師が非協力的になるのには、主に3つの理由があります。これを知ることで、感情的な対立を防ぐことができます。

1. 「治すこと」が目的であり「障害」を認めたくない:

医師にとっての成功は「完治」です。後遺障害を認めることは、自分の治療で治せなかったことを認めるような敗北感、あるいは「これ以上は医療の力ではどうにもならない」という無力感を感じさせることがあります。

2. 法的なトラブルに巻き込まれたくない:

診断書を書くことで、後に裁判に呼び出されたり、保険会社から問い合わせが来たりすることを「面倒な事務作業」として敬遠する医師もいます。

3. 自賠責の「認定基準」を知らない:

医師は治療のプロですが、自賠責保険の「等級認定の基準」を教育されているわけではありません。そのため、「この程度では書く必要がない」と独自に判断してしまうことがあります。

医師の態度を変えるための「伝え方」のコツ

対立するのではなく、医師を「味方」に巻き込むコミュニケーションが重要です。

感謝を伝えることから始める:

「先生のおかげでここまで回復しました。ありがとうございます。ただ、残念ながらこのしびれだけが残ってしまい、今後の生活が不安なのです」と、治療への感謝を添えて相談しましょう。

「損害賠償」ではなく「正当な評価」と伝える:

「お金が欲しい」というニュアンスではなく、「今後の仕事や生活にどれだけ影響があるか、客観的な診断結果として残しておきたい」と伝えましょう。

【実務ツール】そのまま渡せる「症状伝達メモ」の活用

口頭で「ここが痛い」と言うだけでは、多忙な医師の記憶には残りません。そこで、当サイトが推奨しているのが「症状伝達メモ(チェックリスト)」の提出です。

このツールのメリット:

  • ・医師がそのままカルテに転記しやすくなり、診断書の基礎データになる。
  • ・言い忘れを防ぎ、一貫した症状を記録に残せる。
  • ・「患者が真剣に悩んでいる」という視覚的な証拠になる。

それでも医師が協力してくれない時の「次の一手」

どうしても医師との折り合いがつかない場合、以下の方法を検討してください。

① 弁護士や医療コーディネーターによる介入

弁護士から「後遺障害診断書作成のお願い」という書面を医師に送付したり、医療知識のあるスタッフが医師と面談したりすることで、医師の心理的ハードルを下げることができます。

② 画像鑑定の実施

「画像上は異常がない」という医師に対し、外部の専門医による「画像鑑定(再読影)」の結果を持参します。医学的根拠を提示することで、医師が加筆・修正に応じてくれるケースがあります。

③ 転院の検討(※最終手段)

どうしても協力が得られない場合、後遺障害に理解のある病院へ転院することも選択肢の一つです。ただし、通院実績が途切れるリスクがあるため、必ず事前に専門家に相談してください。

まとめ:あなたの痛みを「医学的証拠」に変えるために

医師が非協力的なのは、あなたの症状を否定しているからではなく、単に「書き方」や「制度」を知らないだけかもしれません。

「先生にうまく伝えられない」「診断書を断られて途方に暮れている」という方は、お一人で悩まずに当サイトの無料相談をご活用ください。私たちの医療連携チームが、医師との橋渡しを行い、納得のいく診断書作成をサポートします。

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