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交通事故で死亡した場合に加害者が負う責任

交通事故で被害者が死亡した場合、遺族は加害者又は加害者が加入している保険会社に対して損害賠償請求ができます。これに加え、死亡事故では加害者は刑事責任を問われることが通常です。
そこで、交通事故で被害者が亡くなった場合に、加害者が負うべき法的責任について解説します。

1.死亡事故のパターン

死亡事故には、交通事故後すぐに被害者が亡くなったというケースと、交通事故後しばらく入院していたものの治療の甲斐なくお亡くなりになったというケースがあります。

後者のように交通事故から死亡までの期間が空いている場合には、交通事故と死亡結果との因果関係を加害者側が争ってくることがあります。一方で、死亡までの間に入院など治療行為が行われている場合、治療費を含めて加害者側に損害賠償請求できます。

2.死亡事故における加害者の法的責任

死亡事故において加害者が負うべき法的責任としては主に民事責任、刑事責任に分けることができます。これ以外に、免許停止などの行政上の責任も問われます。

(1)民事責任

死亡事故においては、被害者自身が加害者に対して有する損害賠償請求権が遺族に相続されます。これに加え、近親者を亡くした遺族固有の慰謝料請求権も発生します。加害者の負う損害賠償の具体的な内容については、後で詳しく説明します。

(2)刑事責任

死亡事故を起こした加害者が負う責任としては他に刑事責任があります。簡単にいうと、犯罪として刑罰が科されるということです。

死亡事故の加害者が問われる刑事責任としては、次のような種類があります。

罪名 刑罰 適用場面
自動車運転過失致死罪 7年以下の懲役もしくは禁固、または100万円以下の罰金刑 危険運転致死罪に該当しない運転行為による死亡事故
危険運転致死罪 1年以上の有期懲役 飲酒運転等による高速度での走行、通行妨害目的の幅寄せや直前侵入など危険性の高い運転行為による死亡事故
救護義務違反 10年以下の懲役又は100万円以下の罰金 道交法72条が義務付ける負傷者の救護等を怠る「ひき逃げ」事案において上乗せされる罪

交通事故でも被害が軽微であれば、刑事事件として起訴されないこともあります。しかし、死亡事故の場合はその結果の重大性から、たいていのケースで加害者は起訴され有罪となります。

3.死亡事故で加害者に請求できる損害賠償

死亡事故で相手に請求できる損害賠償の具体的内容は次のとおりです。特に高額となりやすいのは逸失利益です。したがって、逸失利益の算定方法が示談交渉における争点となることがよくあります。

(1)死亡慰謝料

死亡慰謝料は、被害者が死亡したことに対する精神的苦痛を賠償するものです。厳密には、上で説明したように遺族固有の慰謝料と被害者が請求できる慰謝料の相続分の2種類がありますが、両者を明確にわけず合算額で交渉することが多いでしょう。

(2)逸失利益

死亡事故における逸失利益とは、被害者が事故にあわなければ得られるはずであった収入をいいます。逸失利益は被害者の年齢が若いほど高額になります。

例えば、被害者が20歳以下であれば、逸失利益だけで億単位となることがあります。ただし、被害者が生きていればかかった生活費に相当する金額などが差し引かれます。

(3)治療費、葬儀費用

交通事故後に医師の治療を受けた場合には、その費用を請求できます。このほか、被害者の葬儀にかかった費用や49日などの法要にかかる費用も請求することが可能です。

4. 死亡事故の損害賠償請求の注意点

死亡事故で被害者が交通事故直後にお亡くなりになったという場合には、事故の状況に関する被害者側の証言が得られません。このため、加害者側が自分に有利になるように捜査機関に虚偽の供述をしている可能性を視野に入れる必要があります。

このような事態を想定して、事故現場のブレーキ痕や車両の損傷などが記載された実況見分調書のほか、近隣の防犯カメラや目撃者、被害者車両に搭載されていたドライブレコーダーなどの客観的資料を可能な限り収集することが重要です。

5. 死亡事故の交渉を弁護士に依頼すべき理由

死亡事故の遺族は、大切な人との突然の別れに苦しんでいます。このため、加害者の保険会社と示談交渉をする気力も持てないことがよくあります。

しかし、死亡事故において遺族が加害者から受け取れる損害賠償額は数千万円から1億円を超えることもあり非常に高額です。

これにもかかわらず保険会社から提示される示談金額は、遺族が本来受け取れるはずの金額よりも大幅に低いことがよくあるため注意が必要です。

弁護士に加害者側との交渉を依頼すれば、遺族は保険会社や加害者と直接交渉する精神的負担から開放されます。

さらに、被害者が一家の大黒柱であったような場合には、遺族のその後の生活維持を考えなければならないところ、弁護士が遺族の代理として加害者側と交渉すると、示談金額は大幅に上昇する傾向にあります。

加害者側の保険会社は、弁護士が代理人となれば、示談交渉が決裂したら裁判に可能性が高いと考えます。このため、裁判で認められる金額に近い額での示談に応じるのです。

以上から、死亡事故に関しては弁護士に依頼したほうが遺族にとってプラスになる可能性が高いといえます。このため、早めに交通事故について実績のある弁護士に相談することをおすすめします。