交通事故における通院1日あたりの慰謝料相場やよくある質問
交通事故に遭った場合、通院することでもらえる慰謝料相場について気になっている方も多いでしょう。
本記事では、交通事故における通院1日あたりの慰謝料相場やよくある質問について解説します。
交通事故における通院1日あたりの慰謝料相場
まず、交通事故における通院1日あたりの慰謝料相場は、以下のどの基準を採用するかで異なります。
- 自賠責基準
- 任意保険基準
- 弁護士基準
自賠責基準の場合は、通院1日あたりの慰謝料相場は4,300円です。
任意保険基準は、保険会社によって非公開となりますが、おおむね自賠責基準と同程度の水準となるでしょう。
弁護士基準の場合は、通院1日あたりの慰謝料相場は最も高額となり、軽傷時で約6300円、重傷時で約9300円が相場となります。
通院における慰謝料を増額するためには、弁護士に相談することが大切
前述のとおり、交通事故の通院における慰謝料を増額するためには、弁護士基準を適用することが大切です。
そのためには、弁護士に依頼することが不可欠であるといえます。
一方で、弁護士に依頼することに不安や懸念を感じている方もいるでしょう。
ここでは、弁護士に依頼するうえでのよくある懸念について解説するとともに、弁護士相談が気軽に行えることを説明します。
弁護士に依頼するうえでのよくある懸念
弁護士に依頼するにあたってのよくある懸念について、主に3点解説します。
弁護士費用を支払うことで、費用はマイナスになってしまうのではないでしょうか?
弁護士に依頼することで高額な弁護士費用が発生し、慰謝料をもらってもマイナスになってしまうことを懸念される方もいるでしょう。
しかし、多くの場合でこの心配は無用です。なぜなら、弁護士費用特約(詳細は後述)を利用することで、弁護士費用は保険会社が負担するためです。つまり、ご依頼者が自ら負担する必要はなくなります。
しかし、被害者の場合、過失が0であれば任意保険に入っていても、示談代行サービスは利用できません。
その場合、被害者が取れる選択肢は以下のとおりです。
また、弁護士費用特約が利用できない場合でも、依頼しやすい費用体系の法律事務所に相談すれば費用面の心配はありません。
弁護士を入れることで、裁判に発展してしまうのではないでしょうか?
弁護士への依頼がきっかけで裁判に発展することはありませんのでご安心ください。
実際、交通事故の約8割は示談交渉で完結しています。そのため、裁判になるケースのほうが少ないといえます。
もちろん、事案の内容や保険会社の対応などを勘案し、裁判を行ったほうがご依頼者様にとって有益だと判断した場合は裁判をおすすめすることもあるでしょう。
また、裁判以外でも、交通事故紛争処理センターなどの紛争解決手続きを利用することが効果的なケースもあります。
いずれの場合でも、ご依頼者様と弁護士で十分に話し合ったうえで、ご依頼者様にとってベストとなるような判断をしていくことになるためご安心ください。
弁護士に依頼することで、事故の解決までに多くの時間がかかってしまうのではないでしょうか?
弁護士に依頼した場合でも、事故の解決までの期間が余計に長くなることはありません。
むしろ、弁護士に依頼することで事故の解決が早まることも期待できます。なぜなら、専門家である弁護士の力を借りることで、保険会社との交渉や証拠集めなどをスムーズに行えるようになるためです。
たしかに、事故の複雑性や状況などによっては、満足のいく解決にたどり着くまでに相応の時間がかかってしまうケースもあるでしょう。
しかし、弁護士の介入が要因で時間が余計にかかるということはありませんのでご安心ください。
慰謝料に関するよくある疑問
ここでは、慰謝料に関するよくある疑問について解説していきます。
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通院回数が多いほど、慰謝料も比例して増額されるのか?
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自賠責基準では、病院への通院回数が多いほど、慰謝料の金額も増えていきます。ただし、自賠責基準では120万円の上限があるため、無制限に慰謝料が増えるわけではない点には注意が必要です。
弁護士基準では、通院回数ではなく通勤期間をもとに慰謝料を算出します。そのため、必要な通院頻度(例:週1~2回程度)を継続すれば、通院回数に関係なく金額は一定です。
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通院期間が長いほど、慰謝料も比例して増額されるのか?
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弁護士基準では、原則として通院期間が長いほど慰謝料の金額は上がります。ただし、賠償上の妥当な治療期間が存在するため、無期限に通院し続けることはできません。症状が回復傾向にあるにも関わらず長期にわたって通院した場合、通院期間の一部については不適当と判断される可能性があります。
保険会社から治療費を多く受け取る分、もらえる慰謝料が減額される可能性もあるため、必要以上に通院期間を伸ばさないようにしましょう。
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交通事故によって負傷したことで、週末の趣味だったテニスがしばらくできなくなりました。これは慰謝料の増額になるのか?
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交通事故による負傷で趣味やスポーツができなくなったことで、慰謝料が増額されることは基本的にはありません。もともと通院慰謝料には、通院の負担や精神的苦痛への補填以外に、日常生活を送るうえでの不便さに対する補填も含まれているためです。
ただし、交通事故の被害によって日々の生活が著しく悪化している場合は、状況をしっかりと伝えることで慰謝料が増額される余地はあります。
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慰謝料の金額は、保険会社によって変わるのか?
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慰謝料の金額は、相手方の保険会社によって変わるわけではありません。慰謝料の算定は、保険会社に関わらず、自賠責基準など一定の基準で決まるためです。
多くの場合、相手方の保険会社からは自賠責基準など最低限の金額しか提示されません。そのため、できるだけ多くの慰謝料を獲得するためには、早期に弁護士に相談することが効果的です。
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過失割合が0:10の場合、もらえる慰謝料は増額されるのか?
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過失割合が0:10で加害者に一方的な過失がある場合でも、通常よりも多くの慰謝料が追加でもらえるわけではありません。もちろん、追突事故などで加害者に一方的な過失がある場合は、被害者は発生した損害に対して100%の慰謝料(減額されない慰謝料)をもらうことはできます。
なお、加害者側に著しく悪質な行為(ひき逃げ、飲酒運転など)があった場合は、通常分に加えて慰謝料がもらえる可能性はあります。
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ケガはなく、物損のみ場合でも慰謝料は請求できるのか?
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交通事故の被害が物損のみでケガがない場合は、原則として相手方に慰謝料を請求することはできません。
車や所持品などへの物的被害のみの場合は、車の修理代などの物的損害のみ請求することができます。交通事故の被害において慰謝料を請求できるのは、通常はケガや死傷など、身体への被害が生じたケースとなります。慰謝料は、ケガなどによる精神的苦痛や経済的損害に対する補償として支払われるものです。
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無職や専業主婦(主夫)、個人事業主でも慰謝料は請求できるのか?
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交通事故の被害における慰謝料は、職業や立場に関係なく全員が同じように請求できます。
通院慰謝料や後遺障害慰謝料に関しては、職業や立場によって金額への影響はありません一方、死亡慰謝料や慰謝料以外の損害賠償金(休業損害や逸失利益)に関しては、家庭での立場や被害者の収入額によって慰謝料の金額が異なる場合があります。
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交通事故の加害者が任意保険に加入していなかった場合、慰謝料はどうなるのか?
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交通事故の加害者(相手)が任意保険に未加入だった場合でも、自賠責保険によって必要最低限の補償はしてもらえます。
ただし、自賠責保険の上限額を超えた分の補償は、保険会社ではなく交通事故の加害者(相手)と直接交渉する必要があります。なお、加害者(相手)が自賠責保険も含めて無保険状態だった場合は、政府保障事業を利用できる可能性があります。
また、自賠責保険には車の修理代や所持品の弁償などの物損補償はありません。そのため、物損補償については、ご自身が加入している自動車保険の補償内容を確認するとよいでしょう。
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まとめ
今回は、交通事故における通院1日あたりの慰謝料相場やよくある質問について解説しました。
交通事故における通院1日あたりの慰謝料相場は、自賠責基準では4,300円となりますが、弁護士に依頼して弁護士基準を適用することで増額することができます。
多くの方は弁護士に依頼する機会がこれまでないため、依頼をすることに費用面などの不安を感じる方も少なくないでしょう。
しかし、弁護士費用特約を利用すれば原則自己負担はありませんのでご安心ください。
また、示談交渉もストレスなくスムーズに進められるようになるため、事故の早期解決につながることが期待できます。