追突事故の違反点数および処分の流れを解説 | 交通事故弁護士サーチ

追突事故の違反点数および処分の流れを解説

追突事故を起こしてしまった場合、追突事故の状況に応じた違反点数が引かれます。
具体的な違反点数やその後の処分の流れなどについて、気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、追突事故の違反点数および処分の流れを解説します。

追突事故の違反点数

追突事故の違反点数には、以下2種類があります。

  • check 基礎点数(交通違反に対する違反点数で、速度違反などが該当)
  • check 付加点数(被害者を負傷させた場合などに付加される点数)

追突事故の場合、基礎点数と付加点数は最低でも2点以上となり、合計で4点以上となります。
上記に対し、無車検運行や無免所運転、酒酔い運転などに該当する場合は、さらに基礎点数が上がります。
また、被害者の負傷度合によって、付加点数が上がります。
たとえば、酒酔い運転によって追突事故を起こし、被害者に軽傷を負わせた場合は、以下のような違反点数となります。

  • check 基礎点数:安全運転義務違反2点+酒酔い運転35点=37点
  • check 付加点数:3点

合計:40点

なお、物損事故の場合は、基本的に違反点数は付きません。
ただし、当て逃げや酒酔い運転により物損事故を起こした場合は、物損事故でも例外的に違反点数が付くことがあるため注意しましょう。

追突事故の処分の流れ

追突事故を起こしてしまった場合、以下のような処分の流れとなります。

通知が来る

累積点数通知書

違反点数が付いた場合、通常1ヶ月以内に通知書が届きます。
なお、累積の違反点数が少ない場合は通知書が届かないこともありますが、その場合は近隣の自動車安全運転センターにて「累積点数等証明書」を取得すれば違反点数の状況を確認可能です。

通知書の内容に応じて適切な対処を行う

罰金

通知書の内容が行政処分出頭通知書や意見の聴取通知書だった場合は、通知書に記載の日時を確認のうえ、出頭または意見聴取に出席します。

そこで具体的な罰金などの処分が決まるため、処分内容に罰金納付などの対応を行います。
当日は、届いた通知書に加えて印鑑・免許証も持参しましょう。

どうしても出席が難しい場合は、代理人の出席や書面による審査も可能です。

講習を受講する

講習会場イメージ

違反点数が多く免許停止となった場合は、「免許停止処分者講習」を受講します。
受講は任意ですが、受講することで免停期間の短縮を図れます。
また、免許取り消しとなった場合は、欠格期間の満了後に「取消処分者講習」を受講します。

その後、学科・実技試験の受講または教習所への通所をすることで、免許の再取得が可能です。

追突事故の内容によっては、刑事や民事処分になる場合もある

追突事故の内容によっては、違反点数が付くだけでなく、刑事・民事処分になる可能性があります。

刑事処分

刑事処分では、たとえば追突事故によって被害者を死亡させてしまった場合、以下のいずれかが科せられます。

  • check 懲役刑・禁固刑:7年以下
  • check 罰金刑:100万円以下

追突事故の刑事処分の場合は、基本的には逮捕ではなく在宅捜査が行われ、起訴・不起訴が判断されます。
起訴となった場合でも、多くのケースでは略式裁判によって刑事罰が決められます。

民事処分

民事処分では、被害者に対する損害賠償金が科せられます。
損害賠償金には、慰謝料や治療費、休業損害などが含まれます。
損害賠償金は示談交渉によって決められますが、人身事故などの場合は高額になるケースもあるため注意が必要です。

突事故の被害者の場合は、弁護士を立てることが得策

走る車

ここでは、追突事故の被害者側の視点に立って説明します。
一般的に、追突事故の過失割合は加害者10割、被害者0割のもらい事故である場合が多いです。つまり、加害者側に全面的な責任が生じるケースが多くなります。示談交渉は、加害者側・被害者側双方の話し合いによって行われますが、被害者は過失0の場合、任意保険に加入していても示談代行サービスを使えません。

その場合、被害者が取れる選択肢は以下のとおりです。

  • check 示談交渉について弁護士へ相談・依頼を行う
  • check 自分で直接加害者と示談交渉を行う

示談交渉については、弁護士へ相談・依頼を行うことがおすすめです。反対に、自分で直接加害者と示談交渉を行うことは基本的に推奨されません。なぜなら、直接示談交渉することで揉めてしまうケースが多いためです。

たとえば、加害者側が被害者側に診断書を取り下げてほしいと伝えてくることで、揉めるきっかけとなることが考えられます。他にも、加害者側が弁護士を立ててくるこことで、被害者側が不利な立場になる事態も想定されます。
言い合いなどの感情的なトラブルに発展する可能性もあり、さらなる心労や精神的ストレスがかかる結果にもなりかねません。

たとえ被害者側が過失0ではなく示談代行サービスを利用できた場合でも、損害賠償金を増額するためには弁護士に相談することが有効です。

人身事故を起こした際の対処方法

万が一人身事故を起こしてしまった場合は、直ちに以下に挙げる行動を取ることが必要です。

人身事故発生時に加害者が即座にやるべきこと

加害者がすぐに対応すべき事項は以下の3点です。

負傷者の救護

まずは負傷者の救護です。直ちに自動車から降りて、負傷者の状況を確認しましょう。そして負傷者の状態を確認のうえ、救急車の手配などを直ちに行います。

もしも負傷者の救護を行わずに現場からそのまま立ち去った場合、「ひき逃げ」(救護義務違反)となり処罰の対象となります。また、負傷者に気づかず現場を立ち去った場合でも、被害状況の確認を怠ったものとしてひき逃げと同様に処罰されるため注意が必要です。

道路上の危険の除去

負傷者の状況確認や救護を行った後は、道路上にある危険物の除去を行います。負傷者の一次被害への措置を行った後は、二次被害を防ぐための措置が必要です。

たとえば事故車両を安全な道路脇に移動させる、後続の車に対して事故の発生を知らせるなどの対処を行い、被害の拡大を防ぐようにしてください。

警察への報告

二次被害防止のための措置を行った後は、警察へ事故の状況を報告します。最寄りの警察署や交番に対して、事故発生の連絡を入れるようにしましょう。

報告する際は、以下の項目を必ず伝えるようにしてください。

1.事故発生の日時・場所

場所については、番地がわかる場合は番地の情報、わからない場合は目立つ建物やお店などを報告します。

2.負傷者の状態や負傷者の数

被害に遭われた方の数や負傷の状況(出血、意識、呼吸の有無など)を報告します。

3.損壊した物と損壊の程度

周囲に損壊した建物や物品がある場合は、どの程度損壊しているかを報告します。

4.車両などの積載物

交通事故で飛び散った車両の積載物がある場合は、わかる範囲で積載物の中身などを報告します。

5.自身が報告までに取った措置

警察に報告するまでに行った負傷者の救護や二次被害防止の措置について報告します。

事故現場でやっておくべきことと避けるべきこと

上記の即時対処に加えて、事故現場では今後の事故解決を円滑に進めるための情報収集を行っておくことが望ましいです。たとえば、以下のような事項が挙げられます。

  • check 事故状況の証拠収集(衝突場所、停車位置、転倒地点、車両の損壊箇所など)
  • check 目撃した第三者がいる場合は、対象者の連絡先や氏名

一方で、事故現場で避けるべきことは、その場で示談を図ることです。たとえば、当事者間で金銭の授受や誓約書の取り交わしなどを行うことは、後々のトラブル発展や警察への報告義務違反にもなるため行わないようにしましょう。

まとめ

今回は、追突事故の違反点数や処分の流れを解説しました。追突事故の違反点数としては、基礎点数および付加点数があり、無車検運行や無免所運転、酒酔い運転などの事故状況によって違反点数が加算されます。

追突事故の処分のおおまかな流れとしては、通知書が届いたら内容に応じて出頭または意見聴取に出席し、その後に講習を受講します。

追突事故が生じた際は、まずは負傷者の救護や道路上の危険の除去を最優先で行い、警察への連絡も忘れずに行うようにしましょう。

その後は加害者側と被害者側で示談交渉などを行うことになりますが、スムーズに交渉を進め、納得のいく損害賠償金で妥結するためには弁護士に相談することが大切です。

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