後遺障害7級
後遺障害等級認定において、後遺障害7級と認定されるための条件等についてご紹介します。
1.後遺障害7級と認定されるための条件
後遺障害7級と判断されるのは、労働能力喪失率56%となる障害です。後遺障害の部位や症状が次の表に該当する場合には、後遺障害7級と判断される可能性があります。
等級 | 後遺障害の部位・症状等 |
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第7級 |
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1-1.後遺障害7級1号
後遺障害7級1号に認定されるのは、「一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの」です。ここでいう視力は矯正視力です。
1-2.後遺障害7級2号・3号
後遺障害7級2号と3号は、いずれも聴力に関する後遺障害です。後遺障害7級2号は、「両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの」です。
また、後遺障害7級3号は、「一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの」です。
至近距離での会話を聞き取ることはできますが、少し離れた場所での話は聞き取れない状態が後遺障害7級です。
1-3.後遺障害7級4号・5号
後遺障害7級4号は「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」、後遺障害7級5号は「胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」が認定されます。
後遺障害7級4号と5号は、神経・精神の障害や内蔵の障害によって複雑な就労ができない状態が該当します。
「軽易な労務以外の労務に服することができない」というのは、健常者と比較して明らかに作業ミスが多いとか時間がかかるなど、複雑な仕事をするにあたり仕事の質や量が劣る状態です。
もっとも、実際には仕事の質や量を定量的にはかることは難しいことから、後遺障害7級4号又は5号にあたるかの判断では、後遺障害診断書を作成する医師によって結論が異なる可能性があります。
1-4.後遺障害7級6号・7号
後遺障害7級6号と7号は、いずれも手の指に関する後遺障害です。
後遺障害7級6号は「一手のおや指を含み三の手指を失つたもの又はおや指以外の四の手指を失つたもの」であり、手の指を物理的に切断した場合です。
後遺障害7級7号は「一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの」が認定されます。「用を廃した」とは、物理的に手の指を切断はしていないものの神経障害などによって手の指に麻痺等が生じ、指として機能していない状態です。
1-5.後遺障害7級8号〜11号
後遺障害7級8号から11号はいずれも、足に関する後遺障害です。後遺障害7級8号にいう「リスフラン関節」とは、足の甲の中央部分を指します。また、後遺障害7級11号は、両足のすべての指が麻痺等によって機能しなくなった状態です。
1-6.後遺障害7級12号
後遺障害7級12号は、腕や足以外の頭、顔、首といった部位に醜い傷跡が残ったケースです。以前は、女性の外貌に跡が残った場合のみ後遺障害7級12号が認定されていましたが、2010年6月10日以降、男性も対象となっています。
1-7.後遺障害7級13号
交通事故によって男性が睾丸を両方とも失った場合のほか、女性であれば卵巣を失った場合にも後遺障害7級13号に認定されます。
2.後遺障害7級の慰謝料
交通事故の慰謝料の金額には、自賠責保険基準、任意保険会社が各社独自に定める任意保険基準、弁護士会基準という3つの基準があります。
このうち、後遺障害7級に認定された場合の慰謝料額について、公表されている自賠責保険基準と弁護士会基準による場合は次のとおりです。弁護士に依頼した場合には3つの基準のうち最も高額となる弁護士会基準に基づいて相手に請求します。
基準 | 慰謝料額 |
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自賠責保険基準 | 419万円 |
弁護士会基準 | 1000万円 |